道内の外国人留学生ら将来に不安
アルバイト減り生活苦 進学・就職に不安
新型コロナウイルスの影響が長期化する中、道内の外国人留学生が将来に不安を抱いている。アルバイトが減るなど生活がさらに苦しくなった上、感染の収束時期が不透明で、今後の進学や就職の見通しが立たないためだ。進路選択が迫られる新年度を前に、留学生たちは悩みもがき、希望の光を探している。 「経済的に苦しいことが一番大変」。札幌の日本語学校に通うベトナム人留学生ト・チィタイリバンさん(20)はため息をつく。 経営学を学んで日本で働くことを夢見て、2019年4月に札幌へ。2年間、日本語を勉強して今春、大学へ進学する計画を立てた。だが、アルバイトしていた2店の飲食店は昨春、客が激減。勤務先をスーパーに変えた結果、収入は3割減の約10万円になり、食費を切り詰める毎日だ。大学の学費を自力で工面するため、これまでバイト代から生活費を引いた残りを貯金してきたが、減収でその目標の達成も困難になった。 2月に道内の私大2校を受験し、月内に結果が分かるが「合格しても今の状況なら帰国も考えないと」。感染対策で母国への入国は制限されており、進学を諦めてもすぐに帰れない可能性がある。「今後どうなるのか」。不安は尽きない。
支援に取り組む「札幌国際プラザ」には300件の相談
外国人の支援に取り組む札幌の公益財団法人「札幌国際プラザ」には昨年、外国人からコロナ関連で約300件の相談があった。留学生は4割近くを占め、「学費や生活費が確保できない」など生活苦の悩みが多い。留学生も受けられる公的支援制度もあるが、制度を知らなかったり言葉の問題から書類作成ができなかったりする留学生も多い。 プラザでは相談者が支援制度の受給対象に該当すれば申請作業を手伝っている。昨年6月から食料支援も始め、これまで札幌と函館で延べ2672人に米や缶詰などを配った。「まだ誰にも相談できず、孤立している人もいる可能性がある。食料配布を機にこうした外国人と少しでもつながり支援を広げたい」という。 19日も札幌市内で食料支援を行う。現在、市民らに食料の提供を呼びかけ中だ。詳細は同プラザ(電)011・211・3670へ。
北海道新聞