72時間以内のビジネス入国、11月にも容認へ 景気回復につなげる狙い
政府は新型コロナウイルス対策の水際措置について、アジアなど特定の国・地域からビジネス目的で入国する外国人を、滞在72時間以内で受け入れる検討を始めた。11月中にも開始する。滞在時間を限定することで感染リスクを抑える。新たな短期出張の枠組みを設けて受け入れ対象地域を広げ、景気回復につなげる狙いだ。 今回の制度は日本への入国を先行して認める。政府は6月以来、外国人と日本人が行き来できる「ビジネス往来」実現に向け16カ国・地域と交渉してきた。ただし、日本人の渡航も認めさせる相互主義が原因で、豪州やモンゴルなどとの交渉は難航していた。ビジネス往来は、1カ月程度を想定する短期滞在がシンガポール、韓国、ベトナム(予定)の3カ国、駐在員らを想定する長期滞在がタイやマレーシア、台湾などを加えた10カ国・地域にとどまる。経済界からは短期出張の受け入れを求める声が大きく、今回は滞在期間を72時間以内とさらに短縮した新たな制度を追加する。 ビジネス往来の短期滞在と同様、PCR検査での陰性証明、事前の行動計画提出、滞在先と仕事場など行動範囲の限定を条件付けることで、入国後の14日間待機を免除する。まずは感染が落ち着く豪州や台湾などから始め、感染状況が深刻だが商用目的の入国需要もある米国やインドなども今後、検討する。 中長期で滞在する外国人については、日本は9月に在留資格を持つ外国人の再入国を全面的に認め、10月には日本側の受け入れ企業・団体の存在を条件に新規の入国も認めている。この場合は、いずれも14日間の待機が必要となる。【田所柳子】