外国人の求職者5倍増 前職はドラッグストア、土産品店・・・コロナ禍で離職相次ぐ
ハローワーク那覇がある沖縄職業総合庁舎=那覇市おもろまち
県内の新規求職申込件数に占める外国人労働者の件数が今年4~6月は251件と、前年同期を5.1倍上回ったことが27日までに分かった。沖縄労働局の担当者は「新型コロナウイルスの感染拡大で観光関連産業が影響を受け、離職を余儀なくされた外国人が仕事を探している」と分析している。 労働局によると、感染拡大が本格化した4月以降、ハローワークでは外国人の相談者が目立つようになったという。新規求職申込件数は4月が96件と前年同期の4.8倍(76件増)だった。5月は74件で同3.3倍(52件増)、6月は81件で同11.5倍(74件増)だった。 担当者は「前職は土産品店やドラッグストア、コンビニなど語学を生かした販売業務を担っていたことが多い」と説明した。再就職先でも同様の働き口を探す人が多いが、感染拡大に伴う需要の低迷で再就職は難しいという。 ハローワークでは自動翻訳機や厚生労働省の「多言語コンタクトセンター」の通訳士を介した就労相談も行っている。9月末には事業主向けの「外国人雇用指導オンラインセミナー」を開き、雇用の維持を呼び掛ける予定。 2019年10月末時点で沖縄労働局が把握する外国人労働者は1万314人と過去最高だった。産業別でみると、宿泊・飲食サービス業の従事者が17.3%と最多で、次いで卸・小売業が13.6%、人材派遣業などの他に分類されないサービス業が13.2%だった。 在留資格別では、留学を含む資格外活動と、専門的・技術的分野の在留資格がそれぞれ26.0%、技能実習が22.7%を占めた。 国籍別ではネパールが23.9%、ベトナムが19.2%、フィリピンが11.8%と続いた。
琉球新報社