台湾、外国人教員を年間300人に 英語教育推進でバイリンガル国家へ
台湾、英語の外国人教員を現在の年間80人から将来的に同300人に拡充する方針
(台北、台南中央社)教育部(教育省)は英語教育推進のため、外国人教員の人数を現在の年間80人から将来的には同300人に拡充する方針だ。潘文忠(はんぶんちゅう)教育部長(教育相)はバイリンガル教育のため、来年度はこれまでの約10倍に相当する20億台湾元(約72億円)の予算獲得を目指すと意気込む。 「2030年バイリンガル国家政策」を掲げる蔡英文(さいえいぶん)政権。潘部長は、聞く力や話す力、生活での運用能力を重視するとしており、従来のバイリンガル教育とは一線を画すものだと説明している。 同部によれば、英語の外国人教員の任用計画は今年で6年目を迎えた。補助金を獲得した公立の高級中等学校(高校に相当)は外国人教員を採用し、週に20~22コマの授業を担当させることができる。外国人教員による「英語で教える」授業では、地元の文化に英語で触れるものや日常、ニュース、旅行などさまざまな場面での会話を学ぶものなどの成功例があり、計画に参加する学校は年々増加。生徒たちからは英語を話すのが怖くなくなったなどの声が上がっているという。 ただ、地方自治体からは問題点も指摘されている。同部が7月下旬に開催した会議では、台南市の教育局長が外国人教員のコストの高さに言及。地方が負担し続けるのは難しいと訴えた。台北市の教育局長は、今年は新型コロナウイルスの影響で帰国した外国人教員が多かったことに触れ、人材が比較的不安定だと語った。 潘部長はこれについて、人材の確保は政策の推進においてカギになるとし、今後は国内の人材育成を主軸に据えるとした。向こう4年間で2000人の教員を育てるとし、国内の教員と外国人教員が共に生徒たちに学習の機会を提供できればとの考えを示した。 (許秩維、陳至中/編集:楊千慧)