「ウイルスとの闘いに国境ない」途上国へマスク寄付 神戸国際支縁機構が募集

「ウイルスとの闘いに国境ない」途上国へマスク寄付 神戸国際支縁機構が募集

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毎日新聞

郵送で寄付されたマスクを手にする岩村義雄理事長=神戸市垂水区の神戸国際支縁機構で2020年5月13日午後3時32分、中村清雅撮影

 新型コロナウイルスの世界的な流行が続く中、海外で児童養護施設を設置・運営する一般社団法人「神戸国際支縁機構」(神戸市垂水区)が、アフリカやアジアの途上国の子どもたちに日本の手作りマスクを届ける活動を展開している。これまでにガーナ、タンザニア、コートジボワール、ネパール、インドネシアの5カ国に計1600枚以上を発送。理事長を務める牧師の岩村義雄さん(71)は「苦しい時だが、他者を顧みる日本人の隣人愛を示したい」と話している。  同機構は、自然災害などで被害を受けた国でメンバーが復旧支援し、その際に知り合った現地の人と連携する形で児童養護施設を設置している。現在、アフリカやアジアの9カ国で、それぞれ4、5人が暮らす施設を運営している。  3月中旬、岩村さんの元に、ガーナとタンザニアの施設のスタッフからメールが届いた。新型コロナウイルスの感染が広がって不安だが、現地ではマスクを着ける習慣がない。売っていたとしても高価で貧困層は買うことができない、と訴える内容だった。  日本国内でも既にマスク不足が問題になっていたが、「ウイルスとの闘いに国境はない」と、岩村さんはフェイスブックなどで手作りマスクの寄付を呼び掛けた。すると同機構の会員や、日ごろ岩村さんと連携する全国のボランティア団体などからこれまでに計2300枚の手作りマスクが届いた。  機構では4月末以降、航空便で順次、要請のあった国の施設に発送。ただ新型コロナの影響で現地の物流は滞っており、5月末、コートジボワールの最大都市アビジャンに最初に送ったマスク100枚が届いた。現地で連携する大学教員のアルバン・アホーレさんが学生らと同市の貧困地区を回ってマスクを子どもたちに配布。子どもたちからは「初めて見た」「偉くなったみたい」と喜ばれたという。アホーレさんからは「貧しい子どもたちには手が届かないマスクを送ってもらい、日本の人々に本当に感謝している」と連絡があった。  岩村さんは「新型コロナはいつ終息するか分からず、十分な医療体制のない国の人々の不安は大きい。これからもマスクを送り続けたい」と話す。  マスクの寄付は誰でも可能で、既製品や郵送代金の支援も受け付けている。郵送先は神戸国際支縁機構(〒655―0049 神戸市垂水区狩口台5の1の101)。問い合わせは同機構(078・782・9697)。【中村清雅】

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