感染者100万人超えの中南米、複数の国で経済活動優先の動き
(写真:読売新聞)
【リオデジャネイロ=淵上隆悠】世界保健機関(WHO)の米州地域事務局である汎米(はんべい)保健機関(PAHO)の1日の集計によると、新型コロナウイルスの中南米の累計感染者数が100万人を超えた。感染拡大の勢いは衰えていないが、複数の国で経済活動の再開を優先する動きが出ている。 中南米では、ここ数日も感染者が1日に4万人前後増えている。ブラジルでは感染者は累計50万人を超え、約16万人のペルー、約10万人のチリなどが続く。死者は計約5万1000人に上り、WHOは1日、「中南米は感染拡大の集中区域で、ピークには至っていない」と警戒を呼びかけた。 しかし、ブラジルでは1日、被害が深刻なサンパウロ州やアマゾナス州などで段階的な経済活動の規制緩和が始まり、一部小売店などが再開した。同様の動きは、コロンビアやメキシコでもみられる。 経済活動の再開によって感染者数の増加がさらに加速度を増す危険もあるが、メキシコのアンドレス・ロペスオブラドール大統領は「国の経済と国民の幸せのため、日常活動を少しずつ取り戻す必要がある」と強調した。