留学生に広がる不安 新型コロナで渡航中止、現地足止め

留学生に広がる不安 新型コロナで渡航中止、現地足止め

3/30(月) 15:00配信

神戸新聞NEXT

 新型コロナウイルスの感染拡大は、海外で留学中の大学生や、日本の大学で学ぶ外国の学生にも影響を広げている。感染はアジアから米国、欧州へと世界的に流行。兵庫県内の大学も、急きょ学生の帰国を求める一方、迎える留学生の受け入れを延期するなど、情報収集と連絡に追われている。

神戸市灘区の神戸大は、世界保健機関WHO)がパンデミック(世界的大流行)を宣言した後の今月17日、留学などで海外に滞在する学生にメールで帰国を指示した。同大には外国からの学生が約1500人在籍する。感染を恐れて、春からの留学を遅らせる希望もあり、担当者は「学生に不利が生じないように対応したい」としている。

神戸市立外国語大(神戸市西区)では、海外にいた学生約100人のうち、半数が帰国したが、25人ほどは搭乗する航空便のめどが付いていないという。欧州からの帰国者には、2週間の自宅待機も指導した。

また関西学院大(西宮市)も、海外に滞在する学生約150人に帰国を求めたが、30人は航空便がストップしたため、帰国できていないという。さらに、海外での留学やボランティア活動を予定していた約400人の渡航が取りやめに。関学大が今月に受け入れるはずだった外国人留学生約120人も、来日したのは20人弱にとどまる。

甲南大(神戸市東灘区)は、今春に北米などを訪れるつもりだった196人のうち、42人が渡航を中止。また26日の時点で、海外に留学していた計154人の大半は帰国したが、依然5人がとどまっていて、ビデオ通話で健康状態などを確認している。

兵庫県立大(神戸市西区)でも、中国やフィリピンなどに派遣を予定していた66人の留学を取りやめた。この2週間でフランスや米国から8人が帰国したが、1人は行動制限のため帰国できていない。県立大の担当者は「今後の情勢によっては、留学先より日本にいる方が感染リスクが高い、ということにもなりかねない。学生の安全確保を図りたい」と危機感を強めている。(杉山雅崇)

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