厚生労働省は、介護福祉士の養成校の卒業生について、国家試験に合格しなくても資格を得られる特例措置を5年間延長する方針を固めた。介護現場の深刻な人手不足を受け、国家試験の完全義務化は2027年度以降に先送りする。
同省指定の専門学校など養成校の卒業生は、以前は、国家試験を受けずに介護福祉士の資格を得られていたが、16年の法改正で合格が要件となった。ただ、合格しなくても、介護現場で5年間働き続けることなどを条件に暫定的な資格を付与する特例を、21年度までの経過措置として導入した。
延長の背景には、介護福祉士を目指す外国人留学生の増加がある。この資格を得れば日本で働き続けられる制度があるため、19年度の留学生の養成校入学は過去最多の2000人超と、全体の約3割を占めた。
ただ、日本語の読み書きで不利な留学生の試験合格率は3割未満。経過措置を廃止した場合、実技などに問題がなくても、帰国しなければならない人が続出する事態が懸念されていた。
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介護福祉士
高齢者や障害者を介護する技術や専門知識を身につけ、現場で中心的な役割を担う国家資格者。登録者数は2018年度時点で約162万人。
最終更新:2/18(火) 23:25
読売新聞(ヨミドクター)