オンライン旅行会社Trip.com Group Limitedは、2020年1月24日~1月30日の春節休暇におけるトレンド予測を発表した。人気旅行先トップは、周辺国旅行先部門では日本、長距離旅行先部門ではオーストラリアが選ばれた。
中国春節は日本の正月休みにあたり、中国人にとっては海外旅行が最も盛んになるシーズンでもある。中国出入国管理局のレポートによると、19年春節期間における海外旅行人数は前年比12.48%増の631.1万人に達した。Trip.com Group Limitedの調査では、その旅行先の人気No.1は日本だったという。
20年春節の旅行トレンド予測では、中国人の旅行消費需要は20年も引き続き高く、国内外の旅行および休暇に多くの費用と時間を投入すると予測されている。
中国周辺国への海外旅行で最も人気がある国は日本。ついで、タイ、シンガポール、マレーシア、ベトナム、インドネシア、フィリピン、カンボジア、スリランカ、インドと続いた。この順位は、ここ2〜3年変わっておらず、20年も春節の期間中に多くの中国人が日本に旅行することが予想される。日本では「雪見」「温泉」「ウインタースポーツ」の人気が高まっており、今春節でも、これらの体験型商品が人気になるとみられる。
中国人旅行客向けのオンライン旅行会社であるCtripの海外旅行団体ツアー、及び海外個人旅行の19年12月上旬までの予約状況によると、中国旅行客が選ぶ20年の春節期間で最も人気のある長距離海外旅行目的地は、オーストラリアとなる予想。以下、アメリカ、イタリア、ニュージーランド、イギリス、スペイン、ロシア、フランス、アラブ首長国連邦、ドイツが続いた。
Ctripの統計によると、90%を超える観光客が4つ星や5つ星の旅行商品を注文している。旅行客の中心である家族は、安心できる、プライベートかつパーソナライズされた高品質のツアーを重視しているという。そのため、フライト、ホテル、旅行プランを自由に決定でき、特別に手配された車で現地のガイドが同行するプライベートツアーまたはカスタマイズツアーの人気が高まってきている。Ctripの統計によると、プライベートツアーの注文は前年比で100%以上増加している。
一方で、旅行商品の価格が下落する現象も出ている。例えば、「オーストラリア9日間団体ツアー」は1月の開始販売価額が約2万元(約31万8000円)で、以前の同商品より5〜10%値下げとなっている。スペイン、ニュージーランド、フランスなどの目的地も以前の販売価格より値下がりしており、中国人旅行客のコストパフォーマンスに対する意識が高まっているとみられる。
Ctrip団体ツアーと海外個人旅行の予約状況によると、春節休暇期間における主な海外旅行者の世代は1980年代~2000年代生まれ。80年代に生まれた世代が依然として最多で、29%を占めている。また、90年代生まれの世代と00年代生まれの世代の人数は大幅に増加しており、33%となった。なかでも、90年代生まれの20代、00年代生まれの10代の観光客の消費意欲と消費潜在力は、30代と比べて高いことが明らかになった。
春節期間に海外旅行をする中国人旅行者の居住都市は上海が最も多く、ついで北京、広州、深センと続く。上位4都市は全て都市GDPでトップクラスであり、ランクインした他の都市のほとんども経済成長が著しい。これらの都市在住者は、春節休暇に海外旅行を計画する傾向があり、その目的地はより遠方になる傾向があるという。
ITmedia ビジネスオンライン
最終更新:1/23(木) 8:55
ITmedia ビジネスオンライン