法務省出入国在留管理庁は13日、4月から始まった新しい在留資格、特定技能1号の9月末までの在留外国人数を公表した。11分野で219人が特定技能で雇用され、このうち農業は14%の31人。政府は農業で初年度、最大7300人が特定技能で雇用される可能性があるとしている中、伸び悩んでいることが分かった。農家からは、許認可が遅いなどとの指摘があり、スピード感のある対応を求めている。
同庁によると、半年間で特定技能の申請をした外国人は2291人(11月8日時点は3299人)に上った。うち許認可された外国人は384人(同895人)、実際に働く在留外国人は219人。同庁によると、審査や相手国との調整の遅れなどが背景にある。
最も多い分野が飲食料品製造業(49人)で、次いで産業機械製造業(43人)、素形材産業(42人)の順。国別ではベトナムが最多の93人で、インドネシア(33人)、フィリピン(27人)と続く。技能実習生からの移行が176人と8割を占めた。6月末時点では20人(農業は2人)で10倍以上になった。
農業31人の内訳は耕種24人、畜産7人。国別はベトナムが16人、インドネシア6人、中国とカンボジアがそれぞれ4人、フィリピンが1人だった。男性が13人、女性18人で、全員が18歳以上40歳未満だった。
政府は農業で今後5年間で最大3万6500人を見込む。同庁によると、13日時点で農業など6分野で国内外での試験を実施し、3200人以上が合格している。同庁は「試験が進み、技能実習からの移行希望者が多い。今後、特に農業分野は加速度的に増える」と見通す。
外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が成立。4月からは、一定技能を持ち即戦力となる「特定技能1号」を14分野で受け入れ始めた。農業は耕種か畜産の農業技能測定試験と日本語能力の試験を受ける必要がある。約3年の技能実習を修了していれば試験は免除される。農業分野では、受け入れ元の直接雇用に加え、派遣形態の雇用も認める。
日本農業新聞