ファストフードチェーン「モスバーガー」を展開するモスフードサービスは15日、2020年から4年間でベトナム人350人以上を採用すると発表した。国立ダナン観光短期大学(ダナン市)と提携し、日本が4月に創設した在留資格「特定技能」の取得を支援する教育プログラムを今月に開始。ベトナムにはまだ進出していないものの、「将来的な出店の可能性」(広報担当者)がある。
ダナン観光短期大学内に、モスバーガー店舗での業務を早期に習得するためのカリキュラム「モス・フードビジネス・カレッジ(MFC)」を開設。日本語の語学研修、外食技能研修と合わせた原則12カ月の教育で、受講生は修了後、ベトナム国内で外食業向けの特定技能試験を受験する。合格者をモスフードが受け入れ、モスバーガーをはじめとするグループの店舗に就業してもらう。
外食業向けの特定技能試験は日本で実施されており、11月には初の国外試験がフィリピンで実施される予定。ベトナムではこれから準備が進む見通しだ。同社は、ベトナムで試験に合格した人を採用する方針で、初年度となる今年は50人に教育まで施し、来年夏ごろに試験合格者が初来日すると想定している。プログラム受講生が増えていった場合、他社への就業者紹介も検討する。
以降、毎年100人ずつ採用し、23年までに累計350人が日本のグループ店舗で働くことになる。特定技能ビザの有効期限は5年間で、就業者が帰国した後は、アジアで展開するモスバーガーでの就業の機会を提供する。
モスバーガーの海外店舗数は、今年9月末時点で378店舗。台湾が266店と最多で、以下シンガポール(39店)、香港(26店)、韓国(15店)、中国(14店)、タイ(8店)、オーストラリア(6店)、インドネシア(4店)。ベトナムは、モスバーガーで使用するエビ製品の最終加工地となっているが、店舗はまだ置いていない。
広報担当者はNNAに対し、「(ベトナムへの店舗開設は)将来的な可能性があるものの、具体的な計画はない」と説明した。
最終更新:10/16(水) 15:15
NNA