外国人介護職の積極雇用は3割満たず

外国人介護職の積極雇用は3割満たず 人手不足が深刻なのに…「日本語でのコミュニケーション」に課題 滋賀県の事業所調査

10/13(日) 9:00配信

京都新聞

 人手不足が深刻な介護業界で、外国人介護職の雇用に積極的な事業所が滋賀県内で3割に満たないことが、県のアンケート調査で分かった。残りの7割強は「未定」「今後の雇用も考えていない」と回答しており、外国人材の活用を期待する政府と現場の温度差が浮き彫りになった。

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県が6月、県内1474の介護サービス施設・事業所を対象にアンケートを行い、678事業所から回答を得た。
外国人介護職を「雇用中」「雇用予定がある」「機会があれば雇用したい」と積極的な回答を寄せたのは計175事業所で26%だった。このうち「雇用中」は39事業所で、勤務している外国人は計73人だった。73人の主な内訳は定住者36人、技能実習生20人、留学生7人。新たな在留資格「特定技能」での入国は今後本格化するため、調査時点ではゼロだった。
「雇用予定がある」のは32事業所で、予定人数は計127人だった。
一方、「未定」「今後の雇用も考えていない」としたのは計503事業所で、全回答者の74%に上った。
雇用しない理由や雇用拡大への課題を、全ての対象事業所に複数回答で尋ねたところ、「日本語でのコミュニケーション」(20%)、「文化、生活様式、習慣等の違い」(15%)、「仕事や生活の支援体制が整わない」(同)の順で多かった。
現在の介護職員数と理想の職員数についても尋ねた。回答した事業所の現職員は計1万534人、理想は計1万1392人で、その差は858人だった。
県が4月に開設した県外国人材受入サポートセンター(大津市中央3丁目)には、介護分野の相談が最も多く寄せられているという。県医療福祉推進課は「期待はあるが、どうしたらいいか分からないというのが実際のところではないか。潜在的な需要は相当ある」とみている。

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