20年訪日客、22年ぶり低水準 コロナ禍で87%減の411万人
人通りが少ない浅草の仲見世通り=2020年4月17日、東京都台東区
日本政府観光局が20日発表した2020年の訪日外国人数(推計値)は、前年比87.1%減の411万5900人だった。新型コロナウイルス感染拡大を受けた世界各国での出入国規制が響き、訪日客は1998年(410万6057人)以来22年ぶりの低水準。政府が掲げた20年目標(4000万人)の1割程度にとどまり、国内外の旅行需要に多大な影響を及ぼしているコロナ禍が大きく響いた形となった。 欧米などでワクチン接種は始まったものの、感染力が強いとされる変異種の出現もあり、コロナ収束は見通せない。東京五輪・パラリンピック開催に逆風が吹く中、21年も訪日客回復は期待できず、30年目標の6000万人への道のりは一段と険しくなった。 20年は1月に前年並みの266万人を確保した後、感染拡大に伴い客足が鈍化。入国規制の厳格化を受け、5月は1663人と統計を始めた64年以降で最少を記録した。年末にかけた訪日も外国人技能実習生らが中心で観光需要は凍り付いたままだ。