「ベトナム人実習生救え」コロナ禍、生活難相談会 水戸で22日 2団体、支援活動
先月開催された無料相談会=水戸市白梅(日本ベトナム友好協会県連合会提供)
新型コロナウイルス感染拡大の影響で経営が悪化し、技能実習生が実習先を解雇されたり、留学生がアルバイトがなくなったりして生活難に追い込まれる中で、日本ベトナム友好協会茨城県連合会(水戸市、山口やちえ会長)と県ベトナム人協会(つくば市、ヴォン・キャット・カン会長)の2団体は、弁護士による無料相談会を開催するなど来日外国人支援に取り組む。 「今の目標は、介護職で特定技能と日本語の検定試験に合格すること」。県央地域在住のベトナム国籍の女性(22)は目を輝かせた。女性は日本の技術と日本語習得を目指し、2017年に技能実習生として来県。民間企業で電子部品組み立ての仕事をしていた。しかし、新型コロナの影響で、実習先の経営が悪化。そのあおりを受け、解雇となった。 現在は特定活動ビザを取得し、県内の障害者支援施設で働く。ビザの期限は来年5月までだが、技術を習得し、外国人在留資格「特定技能」を目指すという。「安心した暮らしができている。仕事も楽しい。母国の家族に仕送りが再開できる」と笑顔を見せた。 出入国在留管理庁の統計によると、在留資格を持つ茨城県在住のベトナム人は、9778人(2019年12月現在)。村田みのり同連合会事務局長(58)と同協会文化交流リーダーのレ・ヴァン・タンさん(27)は「氷山の一角。相談先が分からない、助けを求める場が分からない茨城県在住のベトナム人は大勢いるだろう」と口をそろえる。 5月から今月までの3カ月間に同協会に寄せられた相談は20~30件。「仕事ができない」「住むところがない」などといった深刻な相談が寄せられた。 こうした状況を受け、7月26日、水戸市白梅のベトナム料理店「モッ・ハイ・バー・ヨー」で、外国人の人材問題に詳しい東京弁護士会所属の杉田昌平弁護士らによる「無料相談会」が開かれた。今月22日にも同所で実施する。同店を営みながら支援するタンさんは「時間の許す限り、力の限り支援していきたい」と話している。 相談会は22日午前10時~午後4時。問い合わせは同協会のタンさん(電)080(4516)2321、同連合会の村田事務局長(電)090(4591)1478へ。
茨城新聞社