国の文化審議会の小委員会は14日、外国人らに日本語を教えるための新たな国家資格「公認日本語教師(仮称)」を創設する報告書案の大枠を了承した。国家資格創設で日本語教師の専門性を高めるとともに、雇用安定や人材確保を図る狙い。判定試験合格や教育実習履修などが要件で、文化庁が詳細を検討し、2020年度以降の関連法成立を目指す。
報告書案は資格の要件として、日本語教育能力の判定試験への合格▽45コマ以上の教育実習▽学士(大卒)以上――を定めた。国籍は問わない。国の指定機関から証明書を発行し、資格の更新期間は10年程度と見込んでいる。
教育の対象は、外国人労働者やその家族、日本語指導が必要な児童生徒、留学生、難民、海外に在住して日本語を学んでいる人ら。教育実習は外国人が在籍する民間企業や日本語学校、小中学校などで行うと想定している。
現在、日本語教師をしている人に関しては、国家資格への移行までに「十分な期間を設ける」とした。現段階で大卒でない人も、短大や高専を卒業し、学校等で2年以上日本語の教育や研究に従事していたなどのケースは経過措置の対象となりうるとした。
文化庁の18年度調査によると、国内の学校や日本語教室に通う日本語学習者は約26万人で、1990年度の4倍超に増加。一方、約4万人の日本語教師のうち常勤は1割にとどまっている。大半が非常勤やボランティアで、立場の不安定さや質が問題視されてきた。
日本語教育を巡っては2019年6月、国や自治体に日本語教育の責務があると明記した日本語教育推進法が成立。日本語教師の資格化について施策を講じる規定が盛り込まれていた。【奥山はるな】
最終更新:2/14(金) 21:55
毎日新聞