福岡県は外国人労働者の受け入れ拡大に合わせ、2020年度から質の高い日本語教室の開設に向け支援に乗り出す。官民連携によるモデル教室の立ち上げや、外国人受講生らが望む語学レベルを踏まえたカリキュラム作成などをバックアップ。必要に応じて日本語教育の専門家も派遣し、効率的に日本語を習得してもらう。都道府県によるこのような支援は珍しく、人材難に悩む事業者の後押しにもつながりそうだ。
県の調査によると、県内の日本語教室は29市町に計96カ所(昨年12月現在)。スタッフ不足や高齢化、運営費不足など課題を抱え、外国人住民の急増に対応できない場合もあるという。受講生や雇用企業が求める日本語レベルの習得が難しい教室もある。
計画では、市町村ごとに行政や事業者、ボランティアなどによる「地域協議会」を設立し、モデル教室を運営してもらう。官民が協力して人員や運営費を確保し、事業者の情報を共有することで外国人労働者のニーズに合わせたレベルの教室をつくる狙いもある。成功すれば、全県的に仕組みを広める方針。
20年度は開設を希望する2市町村を募集。それぞれ1教室の開設に向けて運営費の調達方法や指導内容などを話し合う協議会を支援する。20年度一般会計当初予算案に関連事業費約500万円を盛り込む。
県の取り組みに対し幅広い観点で助言してもらうため、行政や経済団体、留学生支援団体などでつくる「県外国人材受入対策協議会」に日本語教育の専門部会も設置する予定だ。
昨年4月の改正入管難民法は建設など14業種で在留資格「特定技能」を創設。法務省によると、県内の在留外国人は7万9129人(昨年6月現在)で、14年末の5万7696人に比べて約1・4倍に増加。ベトナムやネパール出身の留学生や技能実習生の増加が目立つ。 (大坪拓也)
最終更新:2/13(木) 21:02
西日本新聞