留学生が日本語指導、教える側に 勉強のこつ経験ふまえ 伏見

留学生が日本語指導、教える側に 勉強のこつ経験ふまえ 伏見

12/9(月) 7:30配信

京都新聞

 京都市伏見青少年活動センター(伏見区)が開く日本語教室で、市内の大学に通う留学生が日本語指導のボランティアスタッフとして今年から活動している。外国人住民が学習者ではなく、教える側になるのは府内の教室では珍しいという。自身の経験に基づいて勉強のこつや生活面のアドバイスを学習者に伝えているほか、若いスタッフ同士の成長にもつながると期待されている。

センターの日本語教室は前身組織の1998年に始まり、毎週土曜に実施。学習者は技能実習生や日本人の配偶者ら約20人いる。一方、30歳以下と決まっているボランティアスタッフは15人ほどで、うち3人が留学生だ。
ベトナム・ハノイ出身のマイ・ホアン・ハトゥさん(21)=龍谷大国際学部2年=は高校時代から日本語を学び、日本語能力試験の最難関「N1」を取得済み。インターンシップを課す授業がきっかけで、10月から教室で教え始めた。
マイさんは「教えるのは難しいけど、学ぶことも多い。非漢字圏の人でも漢字を覚えられるよう、生活で役立つ例文を作るなど工夫しています」と経験を踏まえて指導する。同じベトナム出身の技能実習生の男性(28)は「日本語が上手で驚いた。私も彼女みたいになりたい」と刺激を受けた様子だ。
中国・上海出身の陳涵さん(27)=京都外国語大外国語学部1年=は、留学生の友人に誘われて7月からスタッフになった。将来の夢は日本語教師で、大学でも教授法を学ぶ。「日本人が無意識に使っている助詞などの文法も一から勉強しているので分かりやすく教えたい。日本で生活していてカルチャーショックもあると思う。ルールやマナーも伝えられたら」と話す。
京都府国際センター(下京区)によると、地域の日本語教室は京都府内に26あるが、外国人が教えている教室は少ないという。市伏見青少年活動センター職員の大下宗幸さん(35)は「日本語が全くできない学習者も来る。母国語を話せる人がいると安心感は大きいはず」と指摘し、スタッフの成長にも期待する。「日本人と留学生が共に活動することで、言語や文化の違いを体感しながら理解を深め、これからの多文化共生を担ってほしい」

最終更新:12/9(月) 7:30
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